ミネラルの必要性は、ビタミンと同じようにそれぞれ異なります。
人間やその他の脊椎動物には、骨の形成と維持のためにカルシウムとリンが多く必要とされます。
又、カルシウムは神経と筋肉の正常な働きにも必要で、リンはATP(アデノシン三リン酸)と核酸の必要な成分になります。
鉄は、細胞呼吸に必要なシトクロムや、ヘモグロビン(赤血球の酸素結合タンパク質)の重要な成分です。
マグネシウム、マンガン、亜鉛、コバルトは、酵素を構成する補助因子です。
ヨウ素は、新陳代謝率を調節する甲状腺ホルモン(チロキシン)を構成するのに必要です。
ナトリウム、カリウム、塩素は神経の機能に重要な役割を担います。
健康な食生活を営むためには、エネルギーに必要な十分なカロリー、炭素鎖、有機性窒素の他に、必須栄養素の十分な摂取が必要です。
以下は体内でのミネラルの働きの詳細です。
カルシウム :骨と歯の形成、血液凝固、神経伝播
リン :骨と歯の形成、酸塩基平衡、ATPの生成
硫黄 :結合組織、軟骨、腱の構成成分
カリウム :酸塩基平衡、神経の機能
塩素 :胃液の生成、酸塩基平衡
ナトリウム :酸塩基平衡、体液の調整、神経の機能
マグネシウム:酵素の活性化、タンパク質合成
鉄 :ヘモグロビンやエネルギー代謝に関わる酵素の構成成分
フッ素 :骨格の維持に関与
亜鉛 :消化酵素の構成成分
銅 :鉄代謝に関わる酵素の構成成分
マンガン :各種酵素(尿素生成に必要な酵素など)の活性化
ヨウ素 :甲状腺ホルモンの構成成分
コバルト :ビタミンB12の構成成分
上に挙げたもの以外にも、体内のミネラルには数多くの働きがあり、他にも有益な栄養素がたくさんあります。
ここで紹介しているのは、体内で働くミネラルが果たす役割のほんの数例にすぎません。
最上のミネラルは植物由来
サプリメントで使われているミネラルの殆どが「金属製のミネラル」で、その被吸収率は消化器官の状態にもよりますが、せいぜい3%〜12%にすぎません。
卵の殻やサンゴのカルシウムなどが金属製のミネラルです。
ミネラルをより効率的に摂取する方法は、キレート化した形で取ることです。
キレート化により、金属製のミネラルはアミノ酸などの体に吸収されやすい物質と結合します。
通常、キレート化したミネラルの吸収率は、少々の誤差を計算に入れても約40%にはなります。
しかし、ミネラルを最も効率的に摂取する方法は、植物から摂ることなのです。
植物は、土壌からプラスのイオン電荷を持つ大きなミネラル分子を取り込んだ後、光合成を介してこれらの分子を小さく(赤血球の7,000分の1以下)分解し、マイナスの電荷を与えます。
このミネラルは水溶性で、被吸収率は98%にもなります。
これこそが、最も安全かつ最も効率的に体に吸収されるミネラルです。
まさに、大地が私達のために作り上げてくれたミネラル摂取法なのです。
問題は、昔のようにミネラルの豊富な川が氾濫して農地にミネラルが戻ってくることはもはやあり得ないため、命を育むミネラルの含有量が今日の食べ物において減少してきているということです。
この影響で、現代人が多様な病気にかかる割合が増加しているのです。
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